自立支援施設へ入寮してからは、
あっという間に1年が過ぎました。
そしてついに卒寮を迎えることに…
自立支援施設に入寮してから
6か月ほど経った頃、娘がアルバイト
を始めました。
アルバイトは、レストランの厨房で、
お皿を洗ったり、掃除をしたり
のようでした。
娘の入った
合宿型のひきこもり自立支援施設は、
アルバイトができる状態かどうかを
オーナーやスタッフが確認し、
OKが出た場合のみすることが
できるのです。
なので入寮してからの月日とか
年齢とかで、古い人から順番に
できるわけではないということです。
寮生の中には、精神的に不安定な人
もおり、アスペルガー症候群や
適応障害、発達障害、境界性人格障害
等々の障害を持つ方もいます。
ですから
施設外へアルバイトに出かける
という場合は、施設として
「この寮生は働いても大丈夫」
という許可が必要なのです。
また、アルバイト先も基本的には
ひきこもり自立支援施設との契約先
なので、派遣する場合の責任も
生じるからでしょう。
働いたお金は、
施設にピンハネされることなく、
すべて本人に入ります。
時給についても、
一般的な時給と遜色ない
レベルだと感じました。
ただし、
なんらかの障害を持つ場合の
アルバイト先については、
特殊な作業もあり賃金形態も別らしい。
※詳しいことはわかりません。
さて、
娘は約半年でアルバイトを始めましたが
やっぱり一番嬉しいのは、スマホ解禁
という特典でしょう。
今時、
スマホが使えないということに対して、
我慢できない若者は多いでしょう。
娘も施設に入寮する時、
一番渋ったのが、スマホを取り上げられ
使えないことでした。
それでも、半年間我慢してました。
アルバイトをすれば
お小遣いも増えますが、
何よりスマホ解禁になりたい気持ちが
一番強かったのでは?と感じました。
でも、
ある意味“目的や目標”としては、
それも有りだと感じました。
またスマホ解禁になったことで、
自宅への連絡も頻繁になりました。
特に妻とは、
ラインを使って寮生活のことや
いろんな話題で繋がっている
ようでした。
それから1年が経つのは、
早かったです。
田植えや稲刈り、バーベキュー
などでは親も参加して子供と
楽しみました。
娘を預かってもらった施設では、
寮生たちによる様々なスポーツも
盛んでした。
ソフトボール大会、フットサル、
バドミントン、スキー、バレーボール
などがあり学校生活をまともに過ごせ
なかった娘は、中学や高校を
体験できたようなものでした。
そんな寮生活をしながら、
アルバイトの時間や
日数が増えていきました。
アルバイトがメインの仕事になる
ということは、施設の農作業が
できなくなるということです。
つまり、
農作業は入寮したての頃に、
生活サイクルを正常にするのが
第一の目的です。
昼夜逆転生活をしている場合が多い
ひきこもりを、正しい生活サイクルに
戻すための方法です。
そのためには、
スマホもまともな生活サイクルで
アルバイトできるレベルになるまで
禁止ということです。
自分の通信費くらいは
払えるようにならないと、
返してもらえないということです。
自宅で一緒に暮らしていた時
仕事もしていないのにスマホの
通信料金は親が払っていた。
自分で払わないので金額が
どうなろうとお構いなし!
言っても聞く耳持たずでしたから
この施設での対応はありがたい
ことでした。
アルバイトで
ある程度収入が安定してくると、
親に払ってもらっている毎月かかる
寮費用も負担するようになります。
そして自立できる状態になった時には
卒寮日(寮から出て自立する日)
が訪れます。
私の娘は、アルバイト生活が主になり、
約1年間で卒寮となりました。
1年前に入寮したころを
思い出しました。
あっけらかんとしていましたが、
内心は不安いっぱいだったと
思います。
中学校もほとんど行かず、
高校も出ていないそんな娘が
アルバイトをしている。
1年前には想像もできませんでした。
施設のオーナー夫妻やスタッフさん
には感謝してもしきれませんでした。
いろんな思い出を胸に、
娘は卒寮することが
できたのです。
その後は、
地元に帰ってアルバイトをしています。
今は、「車の免許を取るんだ」
と言ってお金を貯めているようです。
また、どうやらボーイフレンドも
出来たようで、彼女なりにちょっと
遅めの青春を楽しんで
いるようです。
まだまだ
社会人としては足りないところがあり
危なっかしいところも多いのですが、
施設に行く前と比べれば雲泥の差です。
親元を離れて、寮生活で得た経験は、
たぶん今後の彼女の人生に
大きな意味を持つと思います。
ただ、娘の人生はこれからが本番です。
1年間の
ひきこもり自立支援施設寮生活は、
とても有意義だったと思います。
それでもこれからの長い人生においては
学ぶことがたくさんあります。
私たち夫婦も、
娘のひきこもりをきっかけに、
いろんな勉強をさせていただきました。
娘がひきこもりでなかったら、
一生知らずにいたかもしれません。
娘に言いたいです。
ひきこもってくれて、ありがとう。
最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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