部屋こもりから出てきた子供は、
それまでに出来なかったことに
対する要求をしてくることがあります。
親としてどうするべきか…
部屋こもりから出てきた子供は
それまでの不自由から解放され
少しづつ普通の生活リズムを
取り戻していきます。
ひきこもっていた不自由さを
取り戻すかのようにまるで
“親のせいだったのだから”
という態度に出ることが
あります。
どういうことかと言うと、
ひきこもりの原因はすべて
親が悪かったこと。
そういう考えを持っている子供も
居ないわけではないのです。
そういう子供は、部屋から出ると
まるで自分は被害者だったように
ふるまう事があります。
親としては子供の言うように
ひきこもり当初の対応を間違え
子供をひきこもらせてしまった。
という側面があるのも事実です。
だから親としては子供に対して
負い目を感じる?的な気持ちが
少なからずあります。
「育て方を間違っていた」
「もっと○○すれば…」
といった気持ちです。
そういう立場を親が感じる時
子供はそれを見逃しません。
感受性が強いという特徴は、
この場面でも発揮されます。
具体的には、
「○○食べたいから買ってきて」
「○○飲みたいから買ってきて」
というような要望です。
親御さんにしてみれば、
今まで部屋こもりだった子供が
やっと出てきてくれた。
解決の兆しを感じる。
だから喜んで買ってくるのでは
ないでしょうか。
本来普通の良好な親子関係
であれば、
「そんなの自分で買いなさい」
で終わる話なのですが、
部屋こもりから出てきて間もない
時期なので気を使うのです。
しばらくは仕方のないことだと
考えてしまうのもわかります。
ただ、子供というのは
一度味を占めると、次も次もと
エスカレートしていきます。
特別悪気が無い場合もあるので、
頭から断るのもどうかと…
悩まれることがあるでしょう。
問題なのは、
次の日も、次の日も、と続いたら
どうするかということです。
もしかしたら
ただの買い物係(=パシリ)に
されているだけなのでは?
と思う事でしょう。
でも、ここで断ったらまた元の
部屋こもりになるかも…?
と思い対応に苦慮する親御さんが
多いのではないでしょうか?
一方考えなければならないのは、
子供がどう思っているかです。
今まではひきこもっていたので、
我慢していたけれど、
どうしてもジュースがのみたくて
勝ってきてほしいと頼んだ。
そしたら買ってきてくれた。
次も頼んだら、
また買ってきてくれた。
「飲みたくなったら頼めばいいんだ」
そう思わせてしまうでしょう。
この場合の対応の間違いは、
判断基準を決めていない事です。
判断基準とは、
「自分たちのすることが
子供の自立につながるだろうか?」
ということです。
子供への対応は、
常にこの事を頭に入れて行動、提案
することで問題解決に繋がります。
今回の場合は、最初に言いだした時は
断ってはいけません。
いきなり断る事は本人が
拒絶されたと受け取るからです。
せっかく部屋から出てきて
最初の要望を拒絶されると、
「やっぱり自分は愛されていない」
「親は変わっていなかった」
という気持ちになりかねません。
そこで対応としては
2,3回くらいであれば
買ってあげてもいいでしょう。
それ以上要望が続くようならば、
「あと3回までは買ってくるけど、
その次から一緒に買いに行くなら
買ってあげる」
「もし外にでるのがイヤならば、
冷蔵庫に買い置きしておくから
自分で取りに来るように」
など、子供の希望を叶えながらも
自立に繋がるような条件を提示
するようにしましょう。
またジュースの場合ですが、
買い置きする場合は2Lなどの
大きなペットボトルは避けます。
なるべく小さめのパックを
その都度置くようにしましょう。
部屋から出ることに慣れる
という意味も有るので自分の足で
何度も取りに来させるように
してください。
部屋から出ることが出来ても
家族と一緒に食事までとれない
という子供も少なくありません。
ですから、たまたまジュースの話を
しましたが、部屋から出る習慣を
そしてなるべく自分で動く習慣を
つけるのが目的です。
そうすることで、
今も自分の部屋でしか食事しない
という子供さんも習慣がつくと
家族と一緒にご飯を食べることが
できるようになります。
そのうち本人の気持ちがほぐれて
くると、わざわざ家族を避けて
部屋で食事を食べる理由も
なくなります。
タイミングをみて
「家族みんなでご飯にしよう」
と提案してみることです。
最初は抵抗するかもしれません。
その場合には条件を付けましょう。
もう部屋まで食事を運ばない事を
伝えて、食卓に置いておくので
食べに来るように伝えます。
食卓へも来やすくするために
家族が食卓に居ない時間帯を
伝えておきます。
お腹が空いてくると家族のいない
時間帯に出てくるようになります。
最初はこのくらいでもいいんです。
食卓へ足を運ぶということに
慣れる事が目的なんです。
そのうち食卓でご飯を食べる
という行為を繰り返していくと
食卓でご飯を食べることに対して
抵抗が薄らいできます。
そのうち親御さんから
「ごはんできたわよ~」
的な誘いをするとしぶしぶでも
出てくるようになります。
親御さんは、ごくあたりまえの
対応をすることです。
特別感のない普通の食卓の
雰囲気に慣れてくるでしょう。
人間は接触回数が増えることで
抵抗感が薄れてきます。
普通に食卓へ来るようになると
親御さんは嬉しくて、つい
「早く元の状態になって欲しい」
と思うでしょう。
ここで焦って、
「学校は…」「仕事は…」
などと言ってはいけません。
あくまでも本人からそういう話題を
投げかけてきた場合のみ話を聞いて
あげてください。
ポイントは、
「聞いてあげることです」
親から先に、
「○○したらどうか?」
「○○したほうがいい」
といった投げかけは禁物です。
しつこいようですが、あくまでも
本人から言い始めることができる
雰囲気を作る事です。
はやる気持ちはわかりますが、
急にではなく徐々に段階を踏んで
本人が抵抗なく元に戻れるように
環境を整えましょう。
「自分を受け入れてくれる」
という空気感を感じたならば、
自然と自分から話しをしてきます。
あくまでも
焦らず、ゆっくりとです。
私達夫婦が、実際に食卓で行い
食事を一緒に取れるようになった
方法です。
あなたも一度お試しください。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。
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