我が子がひきこもりになった時
信じたくなかったでしょう。
そして夢であってくれたらと…
人間は自分に不都合な事であったり
とんでもない事態に遭遇すると
逃げてしまいたい衝動に駆られる
ことがあります。
我が子のひきこもりも例外では
ありません。
問題を先送りにしたり恐怖から
逃げて目をそらそうとしている
私の娘はひきこもってから
ある時期を境に暴れるようになった。
暴れるきっかけというのは
子供の状況によって違うでしょう。
でも、暴言を吐いたり暴力になる
というのは本人にとっては心はもう
ギリギリだというサインです。
子供は親に理解してもらいたい、
分かって欲しいという気持ちで
自暴自棄になったのです。
でも、親御さんにしてみれば、
とても恐怖を感じるでしょう。
私の娘は、女の子だったこともあり
殴る蹴るといった暴力までは
ありませんでした。
それでも毎晩のように続く暴言と
謝罪要求は見ていられないほど
恐ろしく醜いものでした。
当時娘と対峙していたのは妻で
暴言の嵐は毎晩数時間に及びました。
それが数か月ならまだしも、
1年以上は優に続いたのです。
妻はほとんどノイローゼ状態になり
毎日が真っ暗でした。
今だから言えますが、当時は、
「いっそ死んでくれたらいいのに」
とさえ思ったことがあります。
それも一度や二度ではありません。
それくらい酷い暴れ方でした。
私たち夫婦の気持ちは、
本心を言えば
「逃げだしたい」
「放置してしまいたい」
それくらいの気持ちでした。
それでも何とか留まったのは、
やっぱり我が子がかわいいからです。
たぶん
暴言を吐いたり暴れたりする子供の
親御さんは、恐怖心から
「逃げたい」
と感じていると思います。
親御さん(特に父親)によっては、
「いづれ時期が来れば自然に治る」
と考え、放置する方もいるようですが、
それは問題に関わりたくない為の
言い訳でしかありません。
仕事が忙しくて…というのも
出来れば関わりたくないという思いで
問題を先送りにしようとしてるのと
同じです。
「手を付けない、関わらない」
という親のスタンスは悪くなること
はあっても良くなることはありません。
ひきこもりの解決どころか
長引かせる原因にしかなりません。
ひきこもり状態が常習化すると
親御さんと本人にとってそれが
あたりまえになってしまいます。
ひきこもりが常態化してしまうと
解決しようとすることが苦痛になり
解決する意欲がなくなります。
親も子も意欲をなくした場合には、
この問題からいかにして逃げるか
という最悪の状態になります。
暴言や暴力がある、ないにかかわらず
放置したり逃げたりすることでは
根本的解決は遠のくばかりです。
私の娘も暴言・暴力がありましたが、
それには理由がありました。
ひきこもりの子供が
理由もなく反抗したり暴れたり
することはありません。
ひきこもりの初期の段階であれば、
本人も自分をコントロールできず
暴れてしまう事があります。
ですが
それ自体は自分の意思ではなく
どうにもならなかったのです。
親御さんとしては
仕方のなかったこととして
許してあげましょう。
実は暴れた本人も
親に対して暴れてしまったことを
後悔したり反省しているのです。
(後日娘から聞かされました)
ひきこもり初期の反抗、暴力は
やろうとしてやった訳ではないので
仕方のなかったことと割り切って
許してあげてください。
親御さんはひきこもりを理解し、
きちんと勉強していくうちに
問題は解決へ向かいます。
注意すべきは、本人に対して
「腫れ物に触るような態度」
「危険な子供という目で見る」
「近づかず、ヒソヒソ話をする」
「のぞき見や様子をうかがう」
等々
特別視しないことです。
このような親の行為は、
さらに本人を傷つけることになり
暴言、暴力、破壊の状態化に
つながります。
できるだけ普通に接することが
必要です。
子供に至れる尽くせりかまいすぎ
過干渉で自立する力を奪う行為
我が子がかわいいのは親であれば
誰でも思っているでしょう。
かわいがることは悪いことでは
ありませんが、身の回りの世話を
ついやっていないでしょうか?
本人が何も困らないように考え、
身の回りの世話をするのは、
病気の患者がずっと病気のままで
いられるようにしているのと同じ
ことなんです。
親御さんがする至れり尽くせりは、
方向性を間違うとひきこもりを
長引かせる原因になります。
過干渉というのは、
「子供が望んでいない事を
親がし過ぎてしまうこと」
になります。
過干渉は間違いなく本人の為には
なりません。
それどころか本人が持っている
「ひきこもりからはい出そうとする
向上心や自立心を奪います」
当然本人の為にはなりませんし、
それは愛情ではありません。
ひきこもりの初期であれば
仕方がなかったかもしれません。
本人がある程度落ち着いてきたら
ひきこもった子供にとって心地よい
環境を作り続けることは、
「ずっとひきこもっていていいよ」
と勘違いさせることになります。
ひきこもったままでいることを
心地よく感じればそこから抜け出す
必要性や気力を感じなくなります。
何もかもに手を出すな!
ということではなく生きていく上で
必要な、ライフラインなどの最小限
については仕方がありません。
親御さんによっては、
子供に何かをしてあげることを
生きがいにしている方もいます。
子供が何かを頼んできてくれる事で
親御さん自身が「自己重要感」を
感じて満足するからです。
「私がいなければこの子は…」
という思い込みがあり、
ひきこもる以前から構いすぎる
傾向があったはずです。
この「構いすぎる事」が続くと
子供の“自立心”を奪ってしまい
「親に頼れば何とかなる」
という思いを定着させるのです。
いつの間にか親が子供の買い物がかり
になっていたり親と一緒じゃないと
外出もできないようになります。
親御さんが、うすうす気づいても
自分と一緒でないと何もできない子に
今更突き放すことが出来なくなります。
そんな親御さんに限って
「私が死んだらこの子はどうなるの?」
と考えています。
イヤなことを言うかもしれませんが、
「子供の将来を心配する以前に
自分の考え方を改めるべきです」
親御さんの考え方が変わらないと、
間違いなく自立心が芽生えることは
ないでしょう。
そしてひきこもりは長引き、
社会復帰への向上心は限りなく
そがれることになるでしょう。
結果、この後お話させていただく
「中高年ひきこもり」
になる確率が上がるのは
言うまでもありません。
さて、
ひきこもりになる原因と、
ひきこもりが長引く原因について
お話させていただきました。
今お話した内容を親である私たちが
やめること、そして考え方を改める
ことでひきこもりは解決できます。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。
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