ある時期になると、娘の様子に変化が現れた。
そして情緒不安定に拍車がかかり暴れるように。
それはひきこもった娘からのサインだった…
私の娘は、
ひきこもってから毎年春頃になると
情緒不安定の度合いがひどく
なりました。
ある年に、
ものすごい状態になったことがあり
妻と話しているうちに
“あること”
がわかりました。
中学1年生から、
ずっと引きこもってはいても、
新年度の始まる春は、憂鬱に
なるのです。
考えてみればわかることですが、
同級生たちが、どんどん学年が
上がっていく。
方や自分は、ずっと
ひきこもっているので、いわゆる
「置いてきぼり」
になってる不安から、情緒不安定に
拍車をかけたようです。
つまり、
そういう状態になるということは、
「自分は今のままではダメなんだ!」
という気持ちがあるということです。
だから、
情緒不安定になって暴れるわけです。
ある意味、
正常な考えがあるとも言えます。
今は、インターネット社会なので、
同級生のTwitterやインスタグラム、
ブログなどを、見ていたようです。
後で聞いた話ですが、同級生の
「リア充」的な、書き込みなどを、
目にしていたそうです。
そういうのを見て、いっそう疎外感や
置いてきぼり感や焦りが増長してきた
のでしょう。
本人の気持ちを考えると、
今でも胸が痛くなります。
寂しかっただろう、
悲しかっただろうと、
親として何もしてやれなかった自分を
情けなく思います。
特にひどかったのは、
同級生が卒業する時期です。
中学校の卒業式は、
当然ですが出ていません。
ですが、
この時ばかりはさすがに学校から
「卒業アルバムに載せましょう」
という連絡がありました。
と言っても、
本人が卒業式でいっしょに
集合写真を撮るわけではなく、
別の日に1人だけで撮る写真です。
一昔前なら、
別枠で写真が載っていたものですが
最近は、まるで卒業式に出たかの
ような画像処理がされていました。
卒業式に出てもいないのに、
いっしょに居たような写真が載る!
本人は一番思ったでしょうが、
親としても何とも言い難い寂しい
気持ちになったのを覚えています。
その後、
同級生が高校入学する時期だったり
卒業して就職したり進学する時期
だったり、そういう人生の区切りや
スタートを迎える時、
特にナーバスになっていました。
今から思えば、
そういう時期に本人からの、
サインが出ていたのだと思います。
「私も高校へ行きたい!」
「友達と青春を過ごしたい!」
「彼氏をつくってデートしたい!」
「みんなと同じように働いたり進学したい!」
そんな、
いろんな思いがあったでしょう。
でも、
そこには前へ進めない自分がいる。
現実と、
気持ちのはざまで苦しんでいたのは、
間違いありません。
苦しんでいたから、
私たちに訴えていたんです。
暴れるのは、
「助けてほしい」
からだった。
私たちに対する、
サインだったのです。
でも、現実は
どうすることもできなかった。
言い訳にしかなりませんが、
日々仕事に追われながら、
ひきこもりの娘と、対峙する
というのは、想像以上に大変です。
我が家は、
とても裕福と言える経済状況ではなく
私の父母も同居する状態もあって、
娘だけに専念できない状態でした。
ましてや、
娘とコンタクトをとれるのは、
母親だけといういびつな状態です。
「あの時、どうすればよかったのか?」
今でも、親として反省する気持ちや
後悔があります。
今日、お話ししたかったのは、
子供の心が動く時期を逃さない
ということ。
あなたのお子さんが、
どうも様子がおかしいとか、
いつもより暴れる、ナーバスなどの
状態ならば、何か理由があります。
新学期や進級、卒業、入学、進学、
就職などのイベントがある時期は、
特に変化があるので、言動に注意が
必要です。
まわりからすれば、
当たり前にしか感じない事も、
ひきこもっている本人にとっては
とても大切な、感情を揺さぶる
出来事なんです。
親は、過剰に敏感になる必要は
ありませんが、子供の言動の変化には
“意味がある”
ということを忘れてはいけません。
過去の育児を省みることに時間を割く
よりも、今の我が子に対して
どうするべきかを考え、
行動することのほうが大切です。
自戒を込めて、
本当にそう思います。
子供の変化を感じたら、
“心の叫び”
だと、感じることができるように、
小さな変化も見逃さないことが
重要です。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。
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