
心療内科のカウンセラーから突然言われた、
“いますぐ娘さんから避難して家を出なさい”
という信じられない言葉に、耳を疑った。
心療内科へ行き、カウンセラーから
耳を疑うような言葉を聞いた私たち夫婦は、
「娘を放置する」ことを意味する
“娘から避難して家を出なさい”
という強硬策に納得できなかった。
そこで、私たち夫婦は、新しい支援施設や
支援組織を探し回りました。
県内はもちろん、県外へもいろんな情報をつてに、
休日には何かしらの支援施設へ出向いては、
見学したり話を聞いたりしました。
娘本人が、そういう支援施設へ行くことは、
「単なる見学」と言ってもかたくなに拒んでいたので、
いつも親である私か妻だけで訪問する日々でした。
いくつの施設をまわったのか数え切れませんが、
訪問を重ねていくと「あること」が見えてきました。
支援施設にも、いろんなところがあるということ。
具体的に言うと、
自分の娘の状況に合うところと合わないところが、
ある程度わかってきました。
「支援施設ならどこでも同じ」
というわけではないということです。
どういうことかというと、
ひきこもり支援施設には、公的な支援機関もあれば、
民間が行っているほぼ「ボランティア活動」に近い、
支援を行う組織?もあります。
また、施設に集っている年齢層もさまざまで、
中高年ばかりのところもあれば、小学生ばかりとか、
中高生が多いところなど、いろいろなんです。
また、施設を管理している管理者、言わば「責任者」が、
どんな考えを持っていて、どんな人柄なのかということも、
とても重要だとわかりました。
県とか市区町村、または国の関連する支援機関は、
担当者がいますが、どうしても官庁色?を強く感じ、
セオリー通りというか、マニュアル的な対応が多く、
あまり行かせたいとは思いませんでした。
ただ、公的な支援機関にもいいところがあって、
有名な心療内科の先生やカウンセラーの先生の講演や
講義などを無料で受けることができることです。
有名な心療内科の先生は、さすがにいろんな患者を
診ているだけあって、いろんなひきこもり患者との、
体験談を聞くことができました。
私の娘の状況とよく似た患者のカウンセリング経験を
聞いて、とても納得できる内容だったのです。
「毎日、謝れと何百回も謝罪させられる」
とか、
「私を生んだお前たちのせいだ、生んでほしきなかった」
「私の青春をどうしてくれるんだ」
という私の娘が吐く言葉と全く同じ内容に、
思わず妻と顔を見合わせたくらいです。
そのときは、
私と妻の2人で、その有名な心療内科の先生の講義を、
聞きに行っていたのですが、この先生なら娘の心を
汲み取ってくれるカウンセリングをしてもらえるかも!
と、直感的に感じたのを覚えています。
そこで、支援機関に問い合わせてみると、
予約制であることと、心療内科の先生の予定に
合わせられるのなら、カウンセリングをしてもらえる
ということを知りました。
公的機関なので、費用も無料とのことでした。
その講義を聞いた私たち夫婦は帰宅して、
「あの先生なら、娘の気持ちを引き出してくれそうだ」
という共通の認識があったので、
妻の方から、娘に打診してみることに・・・
すると、
予想外というか驚きなんですが、
娘が
「じゃあ、会ってみる」
と言ってくれたのです。
たぶん、妻もとてもいい先生だったので、
感情移入するくらい一生懸命娘に話したのでしょう。
数え切れないほどの、ひきこもり支援機関や施設を、
毎週のように訪問したのは、無駄ではなかった。
そう感じた私たちは、
なんだか、1つの峠を越えたような気持になりました。
実際にカウンセリングを受けることになった娘が、
その先生に本音を話してくれました。
後日、先生から娘の本音を聞いた私たちは、
涙なくしては聞けない内容に絶句しました。
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